このレビューはネタバレを含みます
日本のゾンビ映画の最高峰
ここまで予算と技術をかけてゾンビ作品が作れるのかと驚いた。
海外で道路を封鎖して撮影されたという一連のシーンは圧巻。
原作でも秀逸だったが、徐々に日常がZQNに侵食されて行く様には背筋が凍る。
ZQNも、VFXと演技指導の賜物か、原作をしっかり再現しつつ現実にうまく立ち上げ、オリジナリティ溢れる気味の悪い造形と動きとキャラクター性が丁寧に描かれて満足の仕上がり。
特に、てっこZQNが完成度高すぎて素直に感心してしまった。
あと何と言っても大泉洋さんが素晴らしい。
無言のシーンなのに、あんなに雄弁なのは本当に尊敬するし、相手も見ていれば行動もある。
めちゃくちゃうまい。
物語としても、一応はこの映画1本でも完結するようになっている。
テーマ性も、英雄が失われた尊厳を取り戻してヒーローになって行く物語として、かなりカタルシスを感じた。
「はーい」のシーン、カッコ良すぎる。
某映画レビューで、銃が男性器の隠喩で、発砲は射精、管理されて抑圧されて失われていった男性性を、「はーい」はそれを解き放って発砲するシーンで、ラストは賢者タイム、英雄が失われた男性性を取り戻していく物語的なことを言っていて、なるほどと感じた。
原作で描かれたような伏線の回収もなければ、続編も無さそうだし、そう言った方向ではあれだけど、単純にドラマがあるしゾンビ作品としての完成度は高いし、かなりお気に入りの作品。