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アイアムアヒーローのmovieJackのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.8
原作は以前に少し読んだことがあり
原作での他であまり見ない速い動きのゾンビ
(今作ではZQNという)
日本での日常社会から非日常へのパニックサバイバル描写が斬新で
グロい系はあまり得意ではないが
こちらでも高評価であったこともあり
怖いもの見たさで観賞したところ
想像以上の完成度

R15+は飾りではなく肉片満載で
またそれが非常に良く出来ており
人体の不自然な動きや発症時の目の変化
臓器・血液の質感と色
日本のメジャー作品でもこのレベルまでやれるのかと感心しながら(韓国チームの仕事らしいですが…)
「グリーンインフェルノ」並に心拍数は上がり(目に指シーンは意識的?)
冒頭の恋人(てっこ)が発症シーンではホラー映画並の迫力に知らず知らずに足を踏ん張っていたほどであった
主人公(英雄)並みにヘタレなもんですから…(笑)

街中に飛び出してからの
感染者が爆発的に増えパニック状態に陥る一連のシーンの畳み掛けるスピード感も素晴らしく
臨場感溢れる主人公目線の狭い視野のなか
目の前の交差点を車が猛スピードで急に横切り通行人やZQNにぶつかるというパニック演出も良かった

主人公のオタク感と3枚目妄想族(笑)キャラはこの年代の男性
誰もが持つコンプレックス感の象徴的存在とも思われ感情移入しやすく
大泉洋の完璧な外見再現と控え目な演技も良かった(個人的には下ネタ妄想も期待したが…笑)

終盤にはそのギャップによりに最高に格好良く見え正にヒーロー(英雄)が誕生した瞬間を感じたが
主人公本人には全くその実感が無い演出がより一層の現実味を醸し出していた

欲を言えば
主人公の周囲100㍍圏内での出来事ばかりであったので他の場所での惨事(列車内等)のパニック描写があればもっと広範囲での深刻さが伝わり
また散弾銃の取扱いの難しさや彼の堅実なテクニック描写があればヒーロー感が更にアップしたかも…

タイトルをラストに出すのもストーリーとのリンクを鮮明にし
終盤にお互いが本名を告げるというのもまるで「マッドマックス 怒りのデスロード」に通ずる
相手を認め心を許すという描写も良かった

単体でも充分満足であるが
原作がまだ続いているなかで序章的な位置付けとして次作への期待感も非常に膨らんだ
是非作って欲しいが長澤まさみとの今後の関係を思うと少し複雑…(笑)
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