Yoshmon

シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのYoshmonのレビュー・感想・評価

4.3
好きなことをする。
思うままに生きる。
それが1番。

個人的にキャリアパスを考えた際に、とても共感できるところが多く、そして愉しめる作品。

個人的な話ですが、社会人になってからの最初の3年間は典型的すぎる日系企業に勤めていていろんな不条理に耐えなきゃいけなかった日々。その当時、二十代後半の今よりも白髪が多かった事実笑。

三年間耐えてその後に今のドイツ企業、いわゆる”外資系”に転職。

今の職場・働き方が自身にとって最良かは分からないし、これから先、歳を重ねるにつれて答えは変わると思う。

それでも相対的に前の日系企業よりも今の職場のほうが職場全体が若く、日々変化に溢れていて自分の居場所だと感じることが出来る。
お陰様で白髪もほとんど無くなって笑、そして自分の軸に置いている国際的な業務にも携わらせて頂けていて、自分らしい生き方を実行できてると思う。

この作品の冒頭にあったような上司との衝突や他部署との衝突は、自身の仕事に熱意を持っているほど頻繁に起きると思う。

我慢すること。
自分の意志を曲げること。
極端な言い方をすれば、それは自分自身でない誰か別の人間を演じることになる。

組織に所属する限り自身に与えられた役割を全うする必要があるのは当然だけれど、我慢することに慣れっこになってしまうと夜の新橋で呑んだくれて騒いでる単なる「サラリーマン」になってしまう。
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それともう一点、どんな仕事であれたった1人で完結する仕事はひとつもない。
二番手のクックや息子のように、一緒に仕事をすることになる職場の人たちとの価値観の共有も重要。

仕事が出来ても出来なくても歳を重ねれば段々に偉くなり、パフォーマンスを出しても出さなくても定年後も誰でも嘱託として残れるのが以前の日系企業の職場だった。
一見良さそうな職場に聞こえるけれどその実態はグダグダな世界で、実践者より評論家ばかりの世界。
彼らからすれば上司や先輩に意見する僕の考え方こそ非常識だった。

幸運なことに、今の職場は国際的で外国の同僚や留学経験のある日本人の同僚と同類が多く、あからさまな上下関係もなく自身と異なる考え方にも寛容なのが有難い。
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この作品は自分らしく生きることと、大好きな仕事の一瞬一瞬を共有できる仲間を持つこと、この2つを教えてくれてる。
Yoshmon

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