ピッツア橋本

シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

5.0
最高にハッピーでファンキーなファミリー&ロードムービー、そして極上の飯テロ映画。



一流レストランの料理長を勤めている主人公。
ある日、超有名な料理評論ブロガーが来店することになり気合を入れて新メニューで勝負しようとするも、
オーナーの意向でなくなく定番メニューを出したら翌日、
ブログでボロクソに酷評、ツイッターで拡散される。

これにキレた主人公は離婚して元妻側にいる10歳の息子にツイッターを習い反撃、この騒動が引き金になりオーナーの怒りに触れ主人公は店を解雇させられる。

それから頼りたくもないお金持ちの元妻に言いくるめられ、
家族旅行がてら彼らの出発点であるマイアミへと旅立ち、
兼ねてから元家族たちに勧められていたフードトラック(ケータリングサービス)を始める事で
“本当に俺が作りたい料理は何か?”
を探す旅が始まる。そしてその旅は彼の男として、父としてどう生きるかのヒントを与える最良の旅となっていくのだった…


といったあらすじ。

いささか明かし過ぎてしまったかもしれないが、
本作の楽しみ方は大ドンデン返しなストーリー展開ではなく、
こだわりぬいたディテールを楽しむ所にあると思うのでそこら辺は御理解頂きたい笑


5分に一回は至極の料理が出てきて、そこに食材への薀蓄、軽快なジョークや人間ドラマがはみ出さんばかりにぎっしりサンドされている。
そこに心地の良いキューバ、ラテンサウンドが鳴っていてまたグッド!

そこだけ聞くと他の映画にもありそうなのだけれど、店の宣伝や物語のキーにSNSが要所要所でいい繋ぎ方をしていて、ちゃんと今時の映画としてクールに機能している。

エンドロールに一瞬流れるメイキング映像を見た時に、
本作に対する監督・脚本・プロデューサー・主演を務めるジョン・ファヴローのこだわりが伝わりまくる。

本作は間違いなく、ジョン・ファヴローの永年の夢を体現したフィルムなのだろう。

きっと彼がこれまでの半生で味わってきたグルメと人生訓、そして憧れで本作は紡がれているに違いない。
じゃなきゃこんなに最高なバランスでリアリティとドリームが共存してるフィルムは無いと思うからだ。



生きる歓びを感じる最良の映画。
ピッツア橋本

ピッツア橋本