わたがし

ミュータント・タートルズのわたがしのレビュー・感想・評価

ミュータント・タートルズ(2014年製作の映画)
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 3Dブルーレイで観た。これはすごい3D映画。なぜか異常に立体感の質が高い。トランスフォーマーシリーズよりもすごいんじゃないかというレベルですごかった。コンバートとステレオ撮影の混合なんだろうけど、被写界深度薄めのクローズアップとかも人間の顔面の凹凸がしっかり感じられる。実写でこのレベルのものはなかなかなく、それだけで楽しめた。
 地味めのマイケル・ベイみたいなトーンでベイよりやや長めのショットが多くて大変3D映画として観易い。ただルックがベイすぎるのでトランスフォーマーのガチヤバ編集が脳裏を過り、変な寂しさに襲われる。ベイ製作の映画って実際どれだけ口出ししてるんだろうな
 水飛沫、先端飛び出し、塵、レンズフレアがクドいぐらい頻出。3Dブルーレイの見本市でずっと流しっぱなしにしたい映像。特にすごいのが終盤手前の雪崩シーンで、頭が痛くなるぐらい視差が強烈で画面に吸い込まれる臨場感。たぶんアニメショットばっかりなんでカメラワークもグイングインでアトラクション映像化上等!という感じでテンションあがる。IMAX3Dでリバイバルしてほしいね
 クライマックス、ワンショットだけフレームブレイクする。ここぞ!というところでキメ画提示してくるけど、そんなもったいぶらずにもっと全編でやってほしかった。でも意義深い瞬間だった。感謝。フレームブレイクはなぜ流行らないんだ。いろんな映画、フレームブレイクをしてくれ。頼む。そんな手間もかからないはずだし、悪ノリ映画はもっと悪くノレるし真面目映画は遊び心スパイスとしてドラマの推進力になるはずだから。
 脚本はミュータントタートルズができるまでの経緯のフワフワした科学理屈にロマンを感じた。記者のミーガン・フォックスがタートルズの正体を必死に掴もうとする過程で客にだけめちゃくちゃタートルズのアクションとか先に提示してしまうので、ミーガン・フォックスがすごい馬鹿に見えるのが勉強になった。「語る順番」はとても大切。
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