白い部屋の中で手足を縛られた顔のない男が小刻みに震え、悪夢のように奇妙な事が次々と起こる。自らの内面に正直に向かい合った、作者にとって特別な作品。
「顔のない男についての映画。手と足をロープで縛られた不具の男は、白い部屋の中で微動だにしない。妄想に取りつかれた男は、改造された私の自我でもある。自己の内面を表した部屋の中の奇妙な場面の数々。記憶と悪夢と、暴力的イメージを関連づけることを試みた」伊藤高志
映っている人物を通して自分の内面を描く。映っている人物には全て自分が投影されている。
ドラマ性。妄想癖。
私的安部公房的な
作品を時系列で追う楽しさ、嬉しさをこの作品で感じた。