このレビューはネタバレを含みます
ボクシングを始めた理由がどうであれ、一子をあそこまでボクシングにのめり込ませたのは数々の悔しい思い!(それらの悔しい出来事がノックアウトされた瞬間にフラッシュバックで蘇ります)
不甲斐ない自分に、不甲斐ない人生に、ボクシングを通じて“無自覚的に”必死で抗っていたように思えます。
だからこそ試合に負けたことが悔しくて悔しくて仕方なかったのでしょう。
自分は“ゴロツキ”=“100円程度の女”とは違う、真に生きるに値する人間だと証明するロッキーと同じテーマの映画のように思えました。
前半のダメ人間あるあるネタが終盤にかけてジャブのような効果を発揮して、一子の様変わりに胸を熱くし、声援を送りたくなります。
とにかく主演の安藤サクラの熱演にあっぱれと言いたくなる作品です。