このレビューはネタバレを含みます
安藤サクラの魅力と本気が詰まった作品。
序盤の鬱屈とした日々から、恋と失恋で一気にスイッチの入る中盤、ラストのボクシングの試合、と起承転結がしっかりしていて、だんだん引き込まれる。
安藤サクラの演技を見るだけで終始楽しめる。
話し方の変化、接客の変化、体型の変化、と変化の表現を見るのがおもしろい。序盤と終盤では別人のようになっている。
自分に自信を持っていく姿には勇気をもらえる。
特に好きなシーンは、風邪ひいて倒れて狩野に看病されるシーン。なぜかバカでかい肉を焼いてくれて、不器用な優しさに泣き崩れる一子。「笑い泣き」って複雑な心情で、人間らしくて素敵だなと思う。
じっくりと人を描くような繊細な映画は、邦画ならではの良さがあっていいな、と再確認できた。