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ゴーストスープのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ゴーストスープ(1992年製作の映画)
3.6
岩井俊二監督の初期のクリスマス映画。鈴木蘭々とデーブ・スペクターの亡霊が年に一回、クリスマスに「ゴーストスープ」なるものを作って、地縛霊や彷徨う霊に飲ませ成仏させるファンタジー。途中は騒がしいのだけど、ラストの鈴木蘭々とデーブ・スペクターがすごく可愛かった。
テレビドラマとして公開された内の一本。

命令が下るまで死ねない日本兵の霊(光石研)が、敬礼したまま繁華街で立っている姿は、『狩人』『TOKYO!』にも似通う。日本兵の霊はゴーストスープを飲んでも成仏できなかったので、また敬礼し続けるのだが、

「戦争が終わったことを教えちゃダメ、知ったら自殺しちゃう」はなんとも皮肉。

数年前、電車の車窓に美しい女性が映って、鈴木蘭々さんが横に立っていた。既に妙齢のはずなのに変わらぬ美貌。本作はデビュー作になる。岩井俊二監督の『Love letter』にも不思議な少女役で出演していた。

好きだったお店が映り、ロケ地が自由が丘だとわかったが、もう長いこと行っていない。クリスマスの飾り付けがよく似合う街。

クリスマスの前に日本が開戦した日があったことを忘れてしまった日本人への戒めだったのだろうか。
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