フラワーメイノラカ

二十一世紀の起源のフラワーメイノラカのレビュー・感想・評価

二十一世紀の起源(2000年製作の映画)
3.8
JLGは映画の中から世界を見つめる。

世界そのものをひとつの人格とするならば、現実に見える世界(社会)は身体を担う。
そこから魂を盗んだのが映画だ。魂は社会と相反する個人と同義となっている。

映画がなぜ強制収容所を求めつづけるのか。
そこが暗い密室であるから。
密室とは魂の生きる場所ーー社会の暴走、戦争の悲劇とは、世界が魂を閉じ込めることを強制したことにある(魂が自ら引きこもることとは根本的に違う)。
溶け合うことの欲望。それはセックスと似て。
セカイ系とナチズムが手を繋いでいる意味。

二十一世紀を見つめるとき。
私たちはいつまでも、二十世紀の世界と魂の闘争が落す影に苛まれる。
おそらく、ほんの少しの希望にも。