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The Lunch Date(原題)のunknownのネタバレレビュー・内容・結末

The Lunch Date(原題)(1989年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

黒人がこじきしているような大勢の人が行き交う駅構内。裕福そうな女性は黒人男性にぶつかられて財布を抜かれてしまう。しかも女性は以前もされたことがあるのか、作中に出てくる黒人男性に対して嫌悪感を示す表情。
女性のなかに黒人への危険意識があるのが提示される
女性は列車に乗り遅れ、2ドルのサラダを食べて時間を潰す。サラダを机におき、フォークを取りに行く。ペーパーで机を拭きフォークを拭く女性は、慣れていないというか店の衛生面に不満がありそうである。
フォークをとって戻ってくるとサラダを食べている黒人男性が座っている。
女性は「この人私のサラダを食べている!」
私たち視聴者はそれに飲み込まれる「この黒人ならやりかねない!」「当時なら黒人はこういうことするだろう!」

女性は負けじとサラダを一緒に食べる。男性はふっと雰囲気を緩ませて、コーヒーを奢ってくれる。
女性はあらまという感じにコーヒーをいただき、列車へ。荷物をまた忘れた女性は店に戻る。すると男性はもうおらず、さっき食べた一つ後ろの席に女性が最初に買ったサラダと荷物が置いてある。女性は自分が間違えて男性のものを食べてしまったことを自覚し、おかしくなって笑う。
女性は男性を探すそぶりを見せつつ、列車に乗り込む。

女性の潜入意識に視聴者も飲み込まれた。私たちがある種情報的に持っている「時代背景と黒人差別の歴史」を巧みに利用された作品。
利用された先入観が差別意識なのか、情報としての差別歴史なのかは個々人で分かれるだろう。
また白人女性だから最後笑えた、笑いで済ますことができたという見方もできる。
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