この映画の良さをを余すとこなく伝えることはここでは無理だ。
人は思考を表すためにいくつかの方法を持つ。
絵を描くこと、文を書くこと、喋ること、そして歌うことだ。
それらはお互いを完璧に置換することが出来ないから僕はこの音楽のような映画を文にすることは出来ない。
故に僕はこの映画を人に見てほしくて稚拙な文に熱を込める。
ダンはこう言う。
「音楽はそれまで意味のない景色を意味のあるものに変える」
そしてその証拠にそこに流れる何気無い風景すら音楽によって華やいで見える。
それは目を疑うほどに。
大した風景でも大した音楽でもない。全てはありふれている。それを特別なものに変えたのは二人で同じ曲を聞き同じ景色で見るという「感覚の共有」。
それこそが「普通」に魔法をかける。
ストーリーは至って「普通」だ。
それなのにこんなにも人を熱くさせるのはそこに流れる音楽の仕業なのか。繰り返し流れるLost starsがより感傷的にさせる。
薄っぺらい音楽も随所に散りばめられていてそれが対比となり凹凸を作る。そしてその凹凸に僕らは感情を波のようにゆらゆらと揺らがされ、その波を徐々に大きくしていく。
Fxxckin amazing!!
まんまと転がされてるのが悔しくならないほど、巧みに感情を操られる。恋愛をテーマにしつつも無駄に恋愛要素を表に出さないのも良い。そこは言葉少な目でいい。
これはもう音楽プロデューサーに完敗だよ
同じ曲を二人で聞きながら街をただ歩くようなデートがしてみたい。
そんな映画でした。
蛇足だけど、あとマルーン5だろこれって思って見てたら本当にアダムが歌ってたのね
17th Dec 2015