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はじまりのうたのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
3.9
「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督が、今度はニューヨークを舞台に、音楽を通じて人生を再出発させていく男女を描いたヒューマン・ドラマの秀作。
原題: Begin Again (2013、1時間44分)

落ち目の音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ)は、ライブハウスでシンガーソングライター、グレタ(キーラ・ナイトレイ)の歌声を聴いて、プロデビューを持ち掛ける。
実はグレタは人気ミュージシャン、デイヴ(マルーン5のボーカリスト、アダム・レヴィーン映画初出演)と彼が売れる前に付き合っていたが、裏切られ別れたばかりで失意のどん底にあった。
また、ダンも、妻ミリアム(キャサリン・キーナー)と別れて暮らし、娘バイオレット (ヘイリー・スタインフェルド)とは月に一回しか会えないなど、家族関係に問題を抱えていた。
ダンはグレタにコンセプトアルバムの制作を提案。バンド仲間を集め、スタジオではなく、ニューヨークの街中(路地裏やビルの屋上、地下鉄のホームなど)に出て、ゲリラ演奏しそれを録音をしていく…。

~他の登場人物~
・グレタの友人、ミュージシャン、スティーヴ(ジェームズ・コーデン)
・ダンの会社のボス、サウル  (ヤシーン・ベイ)

ライヴ演奏の場で偶然出会った男女が織り成す人間模様を自然体で描いたカーニー監督の演出手腕が本作でも光る。
音楽(アルバム)を仲間と手作りする楽しさにあふれ、商業主義に抗う姿勢もよい。
キーラ・ナイトレイ(実際に数曲歌っている)とマーク・ラファロも好演。
2人が二股コードを使い、イヤフォンでお互いのプレイリストを聞きながら夜の街を歩くシーンなど、素敵なシーンがある。
楽曲は、キーラ・ナイトレイとレヴィーンがそれぞれ歌う「Lost Stars」(ロスト・スターズ)が一番の聞きもの。
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