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イントゥ・ザ・ウッズのこよりのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ウッズ(2014年製作の映画)
3.3
酷評してる人が多いけど、私はかなり凝った映画で面白いなぁと思いました。
(好きかどうかは置いておいて)
後味はスッキリしないけど、色々考えさせられるものがある映画。

見終わった後に色々調べてて知ったのが、元になったミュージカルが、
「見る人によって考えが様々に変わるミュージカル」との評価もあるそうで。
そして映画の評価として、
「たしかに色々と散りばめられているので、酷評していて、よくわからなかったという人は、テーマの拾いあげられなかったか、とっ散らかってしまったかだと思う」という評価もあって、それには同意できました。

そういう気持ちで見るといいかな。
期待し過ぎず、心理テストみたいな感じで見ると良いかもです。
(心理テストなので多少疲れるかもなので、疲れたくないときには見ない方がいい。)

ちなみに「おとぎ話の主人公たちのその後」とパッケージには書いてあるけど、「その後」というよりも「その前後」という感じ。

以下感想。

ストーリーはシンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木、ラプンツェルなどの童話の登場人物と、
オリジナルの登場人物のパン屋の夫婦がそれぞれの理由で森に行き、
それぞれが絡み合う感じで物語が進んでいきます。

ミュージカル映画なので、
最初の歌で、各物語が交差して全員で「イントゥ・ザ・ウッズ」
つまり「森へ行こう」と、それぞれが森に行く理由が語られるパートはこれからのストーリーを予期させる感じで非常にワクワクさせられる。

しかし、その後、各人が各ストーリーを進めていくパートは、少し説明ちっくで結構退屈なものを感じる。
もうあらかじめ知ってるストーリーに製作陣の妄想全開で詰め込んで、「こんな話だったら面白いよね」って感じで詰め込んでくるのは「へー、なるほどね」って感じなんだけど、それ以上でも以下でもなくて少し退屈な印象。
ディズニークオリティの映像美でなければここで途中で見るのをやめる人もいそう。

そしてとにかくここから中盤までは登場人物の自己中っぷりにひたすらイライラさせられます。
頑張って耐えてください。
本当に各自が自分のことしか考えてなくて、自分の幸せのために必死。
(後から見ると、これをディズニー自身がやるのか、というブラックジョーク的なつもりなんだろうけど、ここまではそれに気づけず、ひたすらイライラを耐える。)

そしてどうにかみんなが幸せになり、
めでたしめでたし…!
この辺りで、「こいつら全員嫌な奴なんだな、そうだ、嫌な奴として描いているんだな、ブラックジョークなんだな」と思うとイライラが少し収まってくるんだけど、

そうはいかない。
ここから怒涛の追い上げ。
この後は二転三転する、凝った構造で、
酷評してる人はこの辺りが分かりにくかったから点数を下げている人もいるのではないかなと思います。

(これ以上はネタバレになるのでコメント欄に)
★ネタバレ部分★

考えさせられるけど、好きかと言われると、うーんと思ってしまう。
ただ「鏡のようなミュージカル」との評価があるくらいなので、また発見があることを願って、再度見たいと思う。

映画としての評価としては、もう少しあげたいけど、自分の勉強不足もありこの点数。
ミュージカルを完全再現しようとしたか、深読みしすぎてこうなったのか、
映画としてはもっと分かりやすいものにした方が良かったんじゃないか、という気持ちが半分くらい。
このままでいろんな疑問を散りばめるっていうのでいいんだ、という気持ちがもう半分。
自分の勉強不足もあり、どっちがいいか、あんまり判断できない。
また時を置いて何回か見るしかないと思う。
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