チューリップの国、オランダを舞台に、
愛に溺れ、花に溺れた人々の話
秘密の愛は、その秘密さゆえに人を一層溺れさせ、さらに花の美がそれを加速させる。
2人の愛は私をドキドキさせ、ハラハラさせ、期待させ、悲しくさせた。
一言で言ってしまえば、2人の愛は身勝手な欲望に従った「不倫」だが、早くに両親を亡くし、妹たちのために、また、跡継ぎを産むために嫁いだ彼女を可哀想に感じる。でも、不倫された夫が一番可哀想なのだろうか。この際誰が一番可哀想だなんて分からない。
そして、単純な私は、一輪のチューリップはこんなにも綺麗なのかと感動した。
フェルメールブルーとも呼ばれるマリンブルーのドレスを着る彼女は美しかった。