m

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のmのレビュー・感想・評価

2.5
チューリップフィーバーという今とはかけ離れた驚きの時代と、代わり映えのしない不倫。
それがなんともミスマッチな気がしてならない作品。

チューリップがそんな高額な値段で取引されていたという時代があったのを知りませんでした。
ひとつお勉強になった。
ありがとうございます。

ただ、チューリップフィーバーという時代背景で一攫千金の夢を見ながら不倫に陥るというのはいささか安直な設定。
「で?」という感想を持ってしまう。

クリストフ・ヴァルツさんが演じたコルネリスが可哀想で仕方がなかった。
ツマラナイ人間かもしれないし、ちょっと夜のお誘いは変態じみていたが、嫌な人間ではなかった。
この人がもっと最低な人物に描かれていたら、ソフィア(アリシア・ヴィキャンデルさん)にも、もう少し感情移入出来たかもしれない。
クリストフ・ヴァルツさんの演技力の方があってしまったのか、あの悲しみの表情は胸を締め付けられた。

デイン・デハーンさん嫌いじゃないのだけど、今作のヤンに魅了されることはなかった。
ソフィアが惹かれること自体に共感出来ない。

唯一、マリア(ホリデイ・グレインジャーさん)は幸せになって欲しくてよかった。
けれど、全員が全員幸せになって、良かったね!で終わるのがなんだか腑に落ちなくて…。
不倫のドロドロの面白さも無く、コミカルかと思いきやシリアスになったり…。
一貫性が無く、可もなく不可もない、なんとも言えない作品だった。

Rotten Tomatoesで独創性のない会話とやり過ぎなプロット、と言われているのは共感できる。

『ブーリン家の姉妹』に似てると思ったら、監督一緒だった。

ストーリー : ★★☆☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/花に狂い、愛に狂う
m

m