かつを(@katsuwow)

さまよう刃のかつを(@katsuwow)のネタバレレビュー・内容・結末

さまよう刃(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

横浜ブルク13にて

余談だが、クライマックスに近づき映画館の中がスキー場レベルに冷房が効いてまさか4D体験できると思わなかった⁈

たった一人の家族である愛娘を強姦の挙句に殺された父親の法律を越えた憎しみと法により守られる犯罪少年達を巡る警察と被害者の葛藤を描いた作品。東野圭吾原作、重厚。

wikiであらすじを読む限りではウェルメイドな部分を思い切って落としている印象で、韓国版では青少年風俗問題と大人の関わりも絡めつつ描いて、全て悪循環している社会を露呈している。犯罪被害者の怒りと法があるから届かないやるせなさが剛速球で飛んでくる。悪いのは一体何だ?と

痛みと怒りがストレートに伝わり迷いの中で警察と被害者の父親(かつ加害者)の気持ちが共感するから救いがあるけど「人を殺すのに大人も子供もない。」狡猾な少年犯罪者が法によって社会に放たれたあとは、一体誰が被害者の痛みを癒すのだろうか?それで償えるのか?と考えさせられる。

父親役のチョン・ジェヨンは、「殺人の告白」では熱い刑事役でしたが今度は愚直で温和な父親役。だからこそ怒りが「血の涙を流す」ように爆発する。最後に「人間として在る」ことを選んだのだなと深く感じ入ってしまった。