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ザ・インタビュー(原題)のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

ザ・インタビュー(原題)(2014年製作の映画)
4.5
世界を救う鍵はケイティ・ペリー?ハートフルな金正恩暗殺コメディ。セス・ローゲン作品は割と当たりはずれがある印象ですが、これは大当たり。小学生のノリでふざけているけど、きちんと正しくて道徳的で、しかも心温まる系の作品。なので、この公開状況は本当に残念。だけど、じゃあどうすればよかったのかはわからない。将軍様の俳優、マジで全然顔似てねぇ。

ローゲンの著書によると(なのでwikiなどソニー側からの情報とは異なる)、当初は「架空の独裁者」ということで企画していたが、条件としてジェームズ・フランコなど大物のキャスティングを説得すること、さらになんとソニー側から「どうせならずばり金正恩にしたほうが面白いんじゃない?」と提案があって、脚本が書き換えられた。この判断は映画の面白さとしては正解だったが、結果ご存知の通り国際問題とソニーの危機に大発展する...

将軍様の殺害が描かれるところばかりに注目されがちですが、北を震撼させたのはむしろ、外部が知るはずのない(と少なくとも北は思っている)北と将軍様の描写の正確さ。いや、ホント発想が小学生がふざけて書いたようにしか見えないし、もちろん序盤のアメリカの場面でのカメオなどは普通にふざけている。が、その延長線上のノリで描かれた北の描写が実は現実そのものという恐ろしさ。

ストーリーですが、北の将軍様はおバカでチャラいアメリカのトーク番組の司会者スカイラー(ジェームズ・フランコ)のファンということで、なんと北朝鮮でのインタビューをさせてもらえることに。正統派路線に未練が残るプロデューサー(セス・ローゲン)にとってもいい話。そこに目をつけたのはCIAで、二人に金正恩の暗殺を託す。といっても託す相手がねー。

案の定、北側のプロパガンダに騙され放題のちゃらんぽらんスカイラー。すっかり将軍様とも打ち解けお友達になれたと大喜び。が、ひょんなことから北の真実を目の当たりにしてしまい...

そして迎えた緊迫のインタビュー。固唾を飲んでテレビ画面を観る人々の姿に、映画を観ている私も時にアメリカのテレビ仲間の気持ちに、そして時に北朝鮮の国民の気持ちになることができました。登場時またアジア系女性の扱いが... と思ったら結局めっちゃ愛されキャラでいい感じに描かれているし、犬もすごーく大事にするし、結末も盛大にいい映画だったぁというまとめ方。

ジェームズ・フランコのクズとしか言いようがないおバカキャラ、めちゃくちゃ似合っているが故に今となってはちょっと笑えないね... エミネム、ロブ・ロウ、ジョセフ・ゴードン・レヴィット。好感度が上がったような上がらないような(笑)。
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