けーはち

レイジング・コップスのけーはちのレビュー・感想・評価

レイジング・コップス(2013年製作の映画)
2.0
ドルフ・ラングレン主演の体裁になってはいるが、実質は麻薬組織で成り上がり&足抜けを目論む若き売人コンビが主役。売人に脅しをかけ甘い汁を啜ろうとする悪徳刑事と、その全てを検挙しようとする麻薬取締局。本作はこれら三者の群像劇のような形で立場違えどそれぞれ男はツラいよ人生模様の描き方になっている。

麻薬取締官ドルフ・ラングレン、悪徳刑事ランディ・クートゥア(元総合格闘家・UFC王者)という座組、物語の正しさ・役者の格から売人どもが平穏無事な訳なくオチは想像に難くない。それは別に良い。問題は、映画の締め方。

ドルフ vs ランディの1本勝負をラストに持ってこなきゃ2人のド迫力肉体派俳優をキャスティングした意味がない。とはいえ、実質主人公の売人コンビが見せ場なしじゃ締まらないので、直前に彼らが悪徳刑事の脅しを突っぱねるシーンがある。そこで悪徳刑事は売人の用心棒に拘束され、手を撃ちぬかれてしまう。あ~、何でクライマックス前にラスボスの格を落としちゃうかな。

せっかくラストの肉弾アクションに重きを置いたのにそれを核にした盛り上げもなくドラマも中途半端。ウケそうな要素をうまく並べればそれなりなところを、無造作に平坦に並べた感。「あたまからっぽ」の娯楽で本当に「あたまからっぽ」にして、水のようにストレスなくゴクゴクいけるようにするというのは、存外難しい。というのがよく分かる1本である。