きまぐれ熊

R.O.D -READ OR DIE-のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

R.O.D -READ OR DIE-(2001年製作の映画)
3.8
折角だからU-NEXTでしか見れないアニメを観るぜ!なんか映画カテゴリに入ってるけど3話構成のOVA。

古いけど、OVAらしく超絶作画。めっちゃぬるぬる動く。けどストーリーがあんまり詰め込まれてないので、超絶リソースの力の入れどころがそこか〜、みたいな事も少なくない。特に2話とか。1話のまとまりの良さとロケーションの多さはとても好き。

物語よりも、主人公の読子の魅力と世界観に全振りって感じ。
世界観はなんかとにかく色々混ざってる。ベースは007×図書館戦争×魔界転生(図書館戦争は年代的に元ネタじゃないから華氏451度の方が近い?)。それにスチームパンクをコーティングしてあるみたいな闇鍋ワールド。
蒸気機関が発達した世界で、めっちゃ権力持ってる図書館機関のエージェントが、何故か漏れなく異能を持ってるテロリスト偉人達と戦うスパイアクション。
ただ色々混ざってる割に予定調和な感じで進んでくので、全体的にはスチームパンクのせいかなんかサクラ大戦っぽい。

読子がもっと狂人だったり古書の争奪戦がもうちょっと物語として意味があれば見応えあった気がするけど割とあっさりしてる。用意されてる設定の多さの割に触れられないやつ多い。原作とか続編のテレビ版はもうちょっと掘り下げられるんだろう。

ただアクションはずっとぬるぬる超作画なので気持ちいい。大量の紙をモーフさせて戦う読子のアクションは面白いし、事務服にダボダボコートのシルエットのアクションは他作品であまり見られない動きなので映像はずっと面白い。紙のアクションはイマジネーションが炸裂しててゲームのカービィとかペーパーマリオシリーズみたい。楽しい。

それを彩る音楽がぶち抜けて出来が良くってさすが岩崎琢。
グレンラガンをやった氏の作風らしく、エレクトロなリズム隊にエレガントなストリングスなテーマ曲とか、フレンチポップな読子のテーマとか、オシャレな説得力で世界観を引っ張っていってくれる。RODの楽曲って使い所が分かりやすくて未だにバラエティとかワイドショーでたまに耳にするから実は聞いたことがある人も少なくないはず。

あまり考えずやべー作画アニメを見たい時に最適な一作。
美少女スパイアクションが見たいなら、今ならプリンセスプリンシパルをお勧めしたいけど、あっちは話が難しい。U-NEXTならどっちも見れます。
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