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紐育の灯の町蔵のレビュー・感想・評価

紐育の灯(1928年製作の映画)
3.5
「紐育の灯」はヴァイタフォンの最初のオール・トーキーです。
会話も音楽も効果音も出ます。
全部、セット撮影ですね。

その前に見て頂くのは
「発声映画のしくみ」としましたが
漫画映画(アニメーション)ですね。
「発声映画のしくみ」Finding His Voice
これはフィルムに音声を映像として記録する
いわゆる〝サウンド・オン・フィルム〟方式ですね
これでトーキー化は本格化していった。
トーキーシステムの解説映画としてウェスタンエレクトリック社が製作した漫画映画です。〈ヴァイタフォン社〉もこの〝サウンド・オン・フィルム〟に乗り換えるんですね。
内容は後のギャング映画を予測させますね。
音楽もですが、銃声はやはりトーキーの魅力ですね

「発声映画のしくみ」は専門的にトーキーの〝サウンド・オン・フィルム〟を教えてくれます。

音の波長を画像として記録して、再生時は今度は画像を波長にかえて音にするんですね。
よく考えたものです。

映写技師は必見のアニメですね、

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「発声映画のしくみ」
Finding His Voice
1929/U.S.A./11min/漫画映画 
監督F・ライル・ゴールドウィン 
   マックス・フライシャー
●映画が音声を得て、話せるようになった〝トーキー君〟が声の出せない〝ミュート君〟をウェスタン博士を紹介すると…。
■画面と音声を同期させる〈ヴァイタフォン社〉の新システム〝サウンド・オン・フィルム〟の原理と構造をアニメーションでわかりやすく説明する短編。ウェスタン博士とはウェスタン・エレクトリック社そのもの。

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「紐育の灯」
Lights of Ney York
1928/U.S.A./57min
監督:ブライアン・フォイ
出演:カレン・ランディス、
  ユージーン・パレット、
  ヘレン・コステロ
  ウィーラー・オークマン、
  グラディス・ブロックウェル
●ブロードウェイから遠いニューヨークの外れのホテル。都落ちした二人のギャングがホテルの息子と理髪店のオヤジを騙して表向きは理髪店裏は密造酒の売買でカムバックしようとするが…。
■全篇が音声同期した〝ヴァイタフォン式〟最初のオールトーキーの中編ドラマ。禁酒法時代を背景にギャング映画の原型にもなった。

まさに〝サウンド・オン・フィルム〟の始まりです。
ウェスタンエレクトリック社が開発したフィルムに音声を焼き込む方式の紹介

そしてそのシステムを使ったヴァイタフォン社とワーナーが共同製作したのが「紐育の灯」ですね。
「ジャス・シンガー」ではまだディスク式の同期システムでしたが「紐育の灯」は最初のトーキー映画です。
もちろん〈フォックス社〉は一足先に〈フォックス・ムービートン式〉があります。台詞はないですが「サンライズ」がそうなんですね。

「紐育の灯」では台詞入りのオールトーキーを謳いました。
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