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岸辺の旅のmingoのレビュー・感想・評価

岸辺の旅(2015年製作の映画)
3.9
舞台挨拶試写会にて。
生深津絵里の神々しさ尋常じゃない。隣でゴズリング坊やがわいは深津絵里と結婚するんや言うてた…うけたのは年の差なんて気にしないべ!いやおまえは誰だよ

黒沢清をそこまで追ってるわけじゃないけど、意味不明な「ドラミファ娘」から「893タクシー」そして近年の黒沢節ムービーまで、なんでも撮れるのがこの監督の凄さ。そして何が何でも我が土俵にもってく力ね。本人はホラーのつもりないんだろうけど、普通にホラー笑
凄すぎ。

本作はタイトルに旅とあるように道中色々な所へ寄るブロークンフラワーズのようなロードムービーなのだが、監督は何度も「魂の旅」と念を強く押していたように、夫婦2人による愛の旅路である。人生や生死がテーマのロードムービーはそれこそストレイトストーリーやネブラスカ、数え切れないほどあるけど、ここまで愛に対して(主に生涯の伴侶)深い問いを投げかけた日本映画も珍しい。

個人的な感想になってしまうけど、愛とともに人とともに生きるということはどんなに辛いことがあっても神様が選んだ2人なら乗り越えていけるんだろうななんて柄にもないことを思った。
浅野忠信が宇宙やアインシュタインの話をするシーンがあるのだけど、天文学的な数値の中に僕たちがいまここで生きていることの「今」を感じた。

あんまりくさいことを書くと普段サバサバしてそうな深津絵里と結婚できなさそうなのでここいらでやめときます…
監督の「かなりの豪速球になっていると思いますので、覚悟して受け止めてください、それでもダメならまた受け止めてください」という映画に対する真摯な眼差しが忘れられない。
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