OGA

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のOGAのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます


シーンが繋がっているように見せる手法は物語を伝える表現としても面白い。
特に、クライマックスで銃を持って舞台に向かうシーンは、この表現手法を冒頭から続けたからこそ生まれた最高の緊張感があった。

個人的に1番印象的なシーンは、
バードマンがこちらを向いて話すシーン。
“Look at these people. Look at their eyes. They’re all sparkling.”
彼の皮肉の言葉通り、本編の終盤で爆発やクリーチャーが突然飛び出した時、その予期せぬ展開に素直に興奮していたため、ギクっとした。

とはいえアクション映画を楽しむことは全く悪いことではないと思う。
拘りのある視覚効果を使う映画は多くあるし、視覚的要素が強いため年齢や性別は関係なく、言語を完全に理解せずとも楽しめる作品が多い。
しかし、劇中の批評家のように「週末の興収で作品評価」するような芸術価値の計り方を嫌う意見も一理ある。

「MARVEL疲れ」などという言葉が出てきた最近に公開されていたら、作中の"apocalyptic porn”という言葉がもっと力強く観客に刺さっていたかもしれない。

また、作中のプロップや、一つ一つの行動すべてに伏線や比喩が込められているように思えて、今後時間を作ってもう一度ゆっくりと視聴したい。

解釈しきれていない点。
・隕石と夕暮れのビーチと鳥
・裸で舞台に上がる(ハリウッドから舞台への捨て身での挑戦?)
・20年大事に持っていた大物からの手紙を置いてバーを出る
・路上で叫ぶ男
・娘がくれた花がライラックである理由(renewal→新しい人生の比喩、new love→冒頭のカーヴァーの言葉から、「愛されてると感じる」ことの象徴?)
↑冒頭で娘に頼んだ花はハゴロモグサ(comforting love)
・マスクを取って別れたのに鳥を見て窓から飛んでいった?(過去の栄光から完全に自分を切り離したのではないのか)
OGA

OGA