てくのすけ

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のてくのすけのレビュー・感想・評価

5.0
凄い!現実と妄想の曖昧な境界、曲者揃いの人物たち、途切れない驚愕のワンショット、プリミティブな部分を刺激するドラム劇伴、再起を賭ける男の悲哀と衝撃の行動。マイケル・キートンの存在感にやられる。最高にエキサイティング!

主人公は嫌でも元バットマンのマイケル・キートンと重なるけどそんなのは当然織り込み済なわけで、その上で閉塞感を越えるパワーを描き、そこに現実感を持たせる。エドワード・ノートン(元ハルク)もエマ・ストーン(元グウェン)も凄い。

何でこうなったという後悔と諦めと捨てられないプライドにがんじ絡めになりながら、それでもまた飛びたいという思いが悲劇と喜劇の合間でスパークする、その投げやりさと熱意の同居がたまらないんですよ。結局自分に重ねて観ちゃうところがあるのかも。別に有名人じゃなくても、過去に囚われる思いもそれを打破したい思いもあるし、そんなのブチ壊したいとか笑い飛ばしたいとかも思うし。僕の背後にもバードマンはいるのかもしれない。
てくのすけ

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