バードマンという架空のヒーロー映画をでっち上げて鉾先をぼかしつつ、自身の『バットマン』シリーズばかりか、アメコミ作品の大半をこき下ろし、それがバレてマーベルに暗殺された男がビートルジュースになるまでの物語。
…という映画かと思ったら大間違いですよ。
実験的な映像技法で撮影された映画というのも2年に1作ぐらいはありますが、確かに凄いですねこれ。
長回し、長回しとは聞いてたけど、『トゥモロー・ワールド』のより長いシーンがあるとかいうレベルかと思ったら、全編これでかって途中真顔で呟いたでしかし。
まぁね今じゃ長回し自体は別にモーフィングみたいな技術を応用すれば別テイクを繋げるのも難しいことでもないのですが、それに加えてカメラをパンさせたら時間軸が変わっているっていうのは、技術云々よりその展開が素晴らしいですよええ。
ドラムスコアと場面がシンクロしたり、ディレイさせたり、全編通してよく考えてあるなぁ、と。
んでまぁ、出演者全員アクの強い感じで、そこがまた途轍もなく素晴らしくてですね、一番印象薄そうな『オブリビオン』でトム・クルーズの偽のパートナー役だったアンドレアちゃんですら漂わせる曲者感はアレ、監督の手腕なんでしょうね。
ただ一点、一番大事なところ、少々イカれた男が辿り着く結末、という点においてが予想通りで、そこ裏切って欲しかったなと。
最後の最後は予想外でしたけども。
ラストにバナナボートソング聴こえてたの僕だけですかね。僕だけでしょうね。