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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のdetoxのネタバレレビュー・内容・結末

2.4

このレビューはネタバレを含みます

ワンカットでクライマックスまで持っていくという映像構成は実によくできていて、映画を観たという気持ちにさせてくれた。
妄想と現実が混濁する様子なんかはサイコサスペンスとしてとても楽しめると思う。
それから音楽と、スタッフクレジットの出し方はめちゃくちゃGood.


一方でストーリーラインは死ぬほど陳腐で予想通りに舞台上で実弾で自殺するし、さらにはその行為によってみんなの人気者になり批評家大絶賛という予想の斜め下方向に行く展開をみせたりするなど、アメリカあるいはハリウッドの病理っぽくてやばい。


全体的に登場人物は頭のおかしい人間ばかりで、主人公は名声にとりつかれた精神病者だし、親友のプロデューサーは金儲け、俳優はみんなエゴの塊である。モブに至っては、主人公の妄想かと思いきや本気でバードマンだと街中で騒いでいたのだという面白状態である。


一番やばいのは娘で、ツイッターやフェイスブックが父の見つめるべき現実だと叫び、裸で街を走る父の動画を本人にみせてネットの人気者になったと喜び、舞台で自殺未遂をした父のツイッターアカウントを無断で作り、8万人にフォローされたと喜んで報告し、自撮りを無許可でアップするなど、ストーリーラインの本筋に関わる部分でゼロモラルっぷりを発揮していて笑えた。


とくにラストの締め方の部分で何が言いたいのかよく分からなくて、みんなの頭がおかしいままいい話になりましたという雰囲気を出されたので混乱した。
そのいびつさから現代アメリカの病理を感じ取って欲しいとかいう類ではないと思うし、、、
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