東映の歴史を探る上で避けては通れない作品群。
記念すべき東映ポルノの1作目。カルティックな石井輝男劇場の幕開け。任侠映画が岐路に立たされ次なる鉱脈を掘り当てるべく東映の岡田茂が仕掛けた秘策。任侠映画が男臭い人間模様を描いていたのに対して両極にあるともいえる女の世界。時代を遡り、日本映画古来の時代劇にエロ要素を追加して誰もが知り得ない大奥を描く。時は徳川五代将軍綱吉の時代。女の裸相撲などやりたい放題の綱吉。吉田輝雄が将軍役のためか『大奥㊙物語』よりも将軍が目立っていた。
前半と後半でガラッと変わる展開。まだジャンルが確立されていないためか下品で攻めたいのか上品でいきたいのか中途半端。ただ、終盤の怒濤の展開は好きだった。徳川綱吉と能の繋がりが垣間見える。
