まつこ

ホワイティのまつこのレビュー・感想・評価

ホワイティ(1970年製作の映画)
3.2
黒人と白人の混血児ホワイティ。
主人が父でも私生児のため家族になれるわけもなく、その一家からは不当な扱いを受けていた。
それでも彼らを愛し執事として見守り続けていたのだが、ある出来事をきっかけに彼の心は変わり始める。

西部劇をモチーフにしているらしい本作。ところどころカルト臭漂う滑りまくりの笑いがシュール。べた塗りのドーランがキスする度に剥がれ落ちるわ、くるくる毛と緑の服の兄弟は双子のようでどっちがどっちかあやふやになるわ、少しヘンテコリンな世界。

冒頭の歌詞であぁ、そうなるんだろうなと思った通りの結末だったけどなかなか面白い撮り方だった。先日観た「地球に落ちて来た男」みたいだな。欲望が渦巻いているけど自分は異質でわかりあえなくて、ひとつになれない空虚さが終始漂う。あの砂漠がまた、ね。

私にとって初めてのファスビンダー作品。まだ掴みきれてないから次の作品が楽しみだ。
まつこ

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