キング・ルーイの大胆改変に驚かされる。
巨猿が捕まえんとやってくる姿はパニックホラーじみてビックリした。
何でもアニメ版のキング・ルーイはオランウータンで、
そもそもキップリングの原作には登場しておらず、
インドのジャングルに「オランウータンは存在しない」ことが
制作陣の悩みの種だったらしい。
それでキングルーイは今回のようなギガントピテクスの生き残りというキャラクターに改変されたが、
くしくも彼が「赤い花」を欲していたことが
シア・カーンを征服するヒントとなる、という構造がよくできていた。
「赤い花」を持ってやってきたモーグリを見て
シア・カーンは「人間はやはり森から排除するべき存在であった」と主張するが、
シア・カーンは単なる眼に火傷を負わされた私怨としてモーグリを恨んでいたわけではなく、
最終的にモーグリが大人になり「火を使う怪物として森を焼き払うこと」を危惧していたことがここから分かる。
各々のキャラクターに深みが増し、
アニメ版よりずっと意義のある映画に昇華していた。