かえで

きみはいい子のかえでのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.2
頼りない新米教師×様々な問題を抱えた児童たち、娘に虐待を繰り返してしまう母親×明るく良妻賢母なママ友、認知症ぎみの優しいおばあちゃん×自閉症の少年とその母親、の3つのストーリーが展開する群像劇。
大人も子どももひっくるめて、映画に出てくる全ての役者さんの演技が素晴らしく、もはやドキュメンタリーを観ているかのよう。余計な台詞やモノローグがなく、登場人物の様子や仕草で静かに訴えかけてくる力がすごい。
テーマは少し重ためだけれど、3つのストーリーが明暗を交互にテンポよく展開されてゆくので、気持ちが沈むことなく観ていられる。

「私があの子に優しくすれば、あの子も他人に優しくしてくれんの。だから、子どもを可愛がれば、世界が平和になるわけ。ねえ、母親って、すっごい仕事でしょ?」
この台詞こそがこの映画の真髄だと思う。人を信じ、抱きしめ、愛することの尊さを改めて感じさせてくれる作品。邦画の良いところをぎゅっと凝縮したような良作でした。
かえで

かえで