ビオラ

きみはいい子のビオラのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.4
学級崩壊、虐待の連鎖、ネグレクト、独居老人、こんなにたくさんの問題を詰め込んでいるのに、どれも薄っぺらい描写になっていない。それでいて押し付けがましくもない。

全部を言い切ってしまわなくてもわかる余白を持たせているので、リアル感の喪失にならない。

作品を締めているのが池脇千鶴の演技と、ドキドキするほどリアルな小学生たち。演技じゃなくドキュメンタリーかと思うほどの演出はすごい。

音楽にも惹かれた。子どものひとりが歌う、つたない「歓喜の歌」のソロから、それをアレンジしたピアノ曲へ。
桜吹雪と、登場人物たちが大団円へ向かう場面でのこの曲に、鼓動が早くなるような盛り上がり。

エンディングのタイトルロールに乗せられるバイオリン曲も素晴らしい。
若いのにスゴイ監督だと思う。
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