半兵衛

愛獣 悪の華の半兵衛のレビュー・感想・評価

愛獣 悪の華(1981年製作の映画)
2.5
桂千穂と加藤彰、二人とも文芸嗜好があるのにどこか決定的な違いがありそれが本作に出てしまっているような。やくざに監禁され調教された女性が己のなかにある異常な性欲に気付きモンスターと化して、最後には調教した男を超えて自分にすがる男を踏み潰すという一種のピカレスク物語なのに脚本がやってほしい異常な調教プレイをあっさりと処理しているので説得力が無くなり、描き方の単調さもあって性行為でのしあがるヒロインが単なるあばずれになっているという致命的な問題が発生してドラマに面白みが欠けることに。あと林ゆたか演じるチンピラが己の男性機能を回復させるため主人公を監禁するという流れが今一つよくわからず、終盤身も心も彼女に破壊されていくという重要なキーマンになるはずがキャラに深みがないために単なるダメやくざにしかなっていないのも致命的。

それでもハードプレイを体当たりでこなす泉じゅんの熱演やその苦痛に歪む表情が素晴らしいのでそうした欠点をある程度カバーしている。でもバナナとスプーンだけで女性のテクニックがあそこまで上達するかね。

ラストは決まっているけれど、澄ました文芸臭みたいな演出があってちょっと苦手。
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