OASIS

フルスロットルのOASISのレビュー・感想・評価

フルスロットル(2013年製作の映画)
3.4
近未来のデトロイトで、潜入捜査官ダミアンと恋人を誘拐された男リノがタッグを組んでマフィアの爆破計画を阻止しようとする話。

試写会で観た。
フランス映画「アルティメット」のハリウッドリメイクで、ポール・ウォーカーの遺作。
ダヴィッド・ベルのパルクール成分が減った分カーチェイス成分がやや増え、全体的に普通のアクション映画みたいになっていて元の「らしさ」が無くなっている様に思えた。

盗んだヤクを処分しようとするリノが恋人を誘拐されアジトへ助けに行き捕まってしまうまでのパルクールアクションと、ダミアンがヤクの元締めに正体がバレて逃げるカーチェイスが同時進行で描かれていき、二人が出会うまでに結構な尺を取っている。
そこを長く描いたかと思えばいきなり護送車の中で一緒になったりして丁寧なのか雑なのかが分からなかった。

やっとこさ二人が出会い、衝突しながらも協力し合い手下達を薙ぎ倒して行くシーンでは、パルクールを駆使するリノに対して「そんな無茶な」と嫌々ながら付いていくダミアンのやりとりがクスリとさせる。
手すりや壁を使って回転乱舞する超人的なアクションになんとか追い縋って応戦しようとする普通の警察官、そんな二人のバランスも良かった。ラストで殴り合うシーンは「そんな事してる暇あったら早く爆弾止めてよ」という突っ込みも野暮に思えるくらい。

ただ、監督がトランスポーター3の編集を務めた人だけあって動きをチャカチャカとしたカットで見せていくので目が疲れる。一連の動きの中でそのしなやかさを見せるパルクールという技の良さを殺してしまっている気もした。

敵のボスがRZAだったのだけど、全く持って恐怖を感じなかったし「なんだか良いヤツ」感が滲み出ていて逆にそれが面白かった。
一番魅力的だったのはリノの彼女役の女優で、終始パンチラを期待させる様なあやうい動きが堪らなかったし、俺もあの太ももに挟まれたいと思った。

最後のとあるシーンで車に乗りながら町の住人達に見せるポールの笑顔と「ポールの思い出に捧ぐ」というメッセージには製作者達の想いが詰め込まれていて込み上げてくるものがあったし、彼の最期の勇姿をスクリーンで観ない訳にはいかないだろうと思います。
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