福福吉吉

クライモリ デッド・ホテルの福福吉吉のレビュー・感想・評価

2.5
◆あらすじ◆
身寄りのなかったダニーに山奥のホテルの相続の連絡があり、自身の出自を知りたい彼は彼女のトニーや友人たちと共にそのホテルに訪れた。管理人のジャクソンとサリーはダニーたちを快く迎え入れるが、ジャクソンとサリーにはダニーを引き入れたい理由があった。

◆感想◆
「クライモリ」(2003年製作)シリーズの第6弾。

ストーリーが完全にダニーとその一族の秘密という展開に終始しており、本来の見どころである人を喰う怪物たちが完全に脇役に近い存在になっていて活躍シーンが少なくて残念に思いました。ストーリーとしては細々と設定を盛り込んでいるのですが、シリーズ全体として統一感が無くなっていました。

主人公であるダニーは孤児、精神病、謎の一族と設定を盛っているのですが、彼の過去の映像が少なく、薄っぺらいキャラクターに見えてしまいました。また、ダニーの恋人であるトニーはダニーをかなり心配しており、家族同様の人物として描かれているのですが、これもダニーとトニーが過ごしてきた時間の部分が描かれていないため、ただの嫉妬心の強いキャラクターに見えて仕方がなかったです。

その一方、ジャクソンとサリーは最初から怪物側の人間であることが分かるので、秘密めいた部分が少なくてダニー側とのスリリングなかけ引きなどが一切無く、面白みに欠けました。

少ないながらも怪物たちの殺人シーンは今回も残酷に描かれていて、お尻に消火ポンプを突っ込んで水を注入しお腹が破裂するシーンはかなりえぐかったです。しかし、実際に日本でお尻に空気を注入して死亡した事件があるため、少し不愉快に感じました。

もうシリーズとして怪物たちだけを活躍させるストーリーのネタが無くなっていることを痛感する本作でした。
可もなく不可もなしといったところです。

鑑賞日:2023年8月23日
鑑賞方法:DVD
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