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ニンフォマニアック Vol.2のEyesworthのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
4.8
【栗とリスの喪失】

ラース・フォン・トリアー監督の色情狂回顧録の8つの章仕立てで描いた2部作の後編

〈あらすじ〉
怪我をして倒れているところを助けてくれたセリグマンに、性体験を重ねた自らの半生を赤裸々に語るジョー。いつしか不感症となった彼女は、快感を取り戻そうと試行錯誤を繰り返す…。

〈所感〉
ラース・フォン・トリアー作品はめちゃくちゃ人を選ぶと思う。この作品は特に。見ない方が健康のため。でも、私はもう抜け出せなくなってる。好きぇー。
すんごい誤解を招く言い方をすると、女版フォレスト・ガンプ。冗談です。
性という我々にとって最も近場でもっとも遠いブラジルのような彼方にある危険な世界をユーモア交えて講釈してくれる作品。後編は更に未知の領域へと潜り込んでいく。通訳の件、SMの件、5+3再炸裂、すべて人知を超えていてジョーはエロスの神ではないかと。
そして明らかになった忠実な聞き手セリグマンがまさかの童貞おじいさんという衝撃の事実。これによってvol.1の見方も変わる。
最強ヤリマン対最強チェリーの矛盾対決の行方はいかに。ラース・フォン・トリアーらしいオチに拍手である。やはり皆これを求めている。本作には『Pearl』のミア・ゴス、『哀れなるものたち』のウィレム・デフォーら人気俳優が登場し、最高のイキ顔を見せてくれた(?)
森で栗を沢山見つけたリスは、来たる厳冬に備えて地面に埋めて貯蓄することにした。しかし、翌年にはその場所を失念してしまった。栗は永遠に喪失してしまった。
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