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ニンフォマニアック Vol.2のkekqのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
3.4
後編。セックス依存症ではなく自分はニンフォマニアック(色情症)だと主張する女性の、切なく空虚な生き様。激しさを増すほど傍目にはどんどん滑稽になっていき、長い冗談のような話はそれに見合ったラストを迎えます。
シャルロット・ゲンズブールはどうしてあんなにがんばるのでしょう。

演出レベルでも本気なのかふざけているのかわからない感覚はどうかしており、数年の時間経過で主人公が20近く歳の離れた女優と交代したり、イディオッツ、奇跡の海、ドッグヴィル、アンチクライストなどの過去作品のセルフオマージュをふんだんに盛り込む演出も非常にダサくて理解を超越しています。

人間の醜さ、汚さを嗤うという大きな目標を果たすために、美徳としての愛情や慈悲をわざとらしいほど爽やかに描いており、「いったん上げてから、思いきり落とす」得意の手法はこれまでで最も洗練されていました。

扇情的で挑発的で、心があちこちに揺さぶられる映画。なんとも残念なオチを観るために4時間がんばる意味はあったと思います。
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