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ニンフォマニアック Vol.2のesewのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
2.0
2020.9/30

おもんな。トリアーも焼きが回ったかな。

なんで最後そう持っていくの?そう持っていくなら、セリグマンが一晩中ずーっと我慢できた意味が通らない。銃を持ってるのを知ってるのにそのままにして戻ってくる不注意さも意味がわからない。

最後さえなければエクストリームでかつ説得力のある話だったのにー。

セリグマンの最後のフェミニズム論はその通りで、ジョーが自分はセックス依存症ではなくニンフォマニアック(色情狂)だって叫んだのもそういうことなんだと思う。これは病気や障害ではなく、そういう特徴で否定しえない自分自身だ、男性なら推奨はされなくても許容されうるのに女性であるから社会から全否定され、さいなまされ続けるのだっていう解釈のがスッと理解できる。

ジェロームとの愛によって正当な社会通念に則った世界に入る時に性的快楽が剥奪され、それを再度取り戻すために我が子と愛するジェロームを捨て調教師の元へ行き快楽を奪還するが同時に我が子への償いのためにお金を求めて非合法社会に入る。

その後償いの日々で快楽を再度失うも、我が子の代替であるPとの同性愛によって三度快楽を取り戻す。しかし最終的にはキリスト教的な禁忌である同性愛の罰としてPの裏切りを受けて快楽を失う。

快楽の提供者であったPはジョーの前夫ジェロームとの愛によって正当世界へと戻る。Pは禁忌であるジョーとは決別し、正当な異性愛者である自分と同性愛者かつ色情狂のジョーをハッキリした上下関係の元にマウントをする。

ジョーはこの一連の事件とセリグマンへの告白によって、正当世界に適応する決意を新たにするが、セリグマンによって人殺しになり永遠に西方キリスト教的な正統世界に戻ることはできない。おしまい。

トリアーが言いたいことの意味はわかるけど、劇としてのリアリティがついてこなかったパターン!
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