♪ 幸せになってくれよな 友よ
俺達の自慢のマブダチよ
アメリカの文化は残酷だと思うのです。
異性を誘わないといけないプロムなんて最たるもの。「コミュ障は人間じゃない」と突きつけられた気持ちになりますよね。
そして、結婚時に必要なのが“付添人”。
寡聞にして初めて知りましたが、新郎新婦それぞれ7人も必要だとか(しかも新郎新婦で数を揃えないといけないとか)。うわぁ。完全に「コミュ障は結婚するな」と言われたようなものじゃないですか。
なんて残酷な国なのでしょう!
日本に生まれて良かった。
…かな?
日本は日本で、村社会独特の同調圧力がしんどいですよね…空気を読むとかさ。空気は読むものじゃない、吸うものなんです。こんな世の中にポイズン。
何はともあれ。
そんなツラいシステムである付添人。それが本作のタイトルである『ベストマン』ですが、友人がいない主人公は『ベストマン』をお金で雇う…という物語。
だから、着地点は読みやすいです。
正直なところ、予定調和とも言えるんですが(配役の時点で先が読めてしまうのは…邦画でもよくある展開)それが“ある意味”で気持ちが良いんですね。
基本的に誰も不幸にならない物語ですし。
あ、いや、一部の人は散々な目に遭いますね。燃えたり、顎を外したり、犯罪者になったり…うん。結構、酷い目に遭います。
でもね。それでも面白ければ良いのです。
現実を忘れさせてくれるのが映画の良いところ。友達が一人もいなくたって大丈夫。素敵な体験が待っているのです。僕もペロペロされたいなあ。うひ。
まあ、そんなわけで。
僕がコメディに甘すぎるのかもしれませんが、とても楽しい時間(特にダンス)を味わえた作品。難しいことは考えず、また倫理観や道徳観も忘れて臨むが吉です(小学生との鑑賞はオススメしません)。
最後に余談代わりの豆知識。
本作の主人公を演じたのは『アナと雪の女王』でオラフの声を務めたジョシュ・ギャッド。美声を披露してくれる場面があるのですが、それも納得ですね。