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マイ・インターンのcinamonのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
4.5
70歳でファッションサイト運営会社のシニアインターンとして働くことになったロバート・デ・ニーロ演じるベン。強い男性がか弱い女性を守るという一世代前のではなく、ユーモアと笑顔と包容力で相手の幸せのために行動できる人、という現代のジェントルマン像をしっかりと魅せてくれました!
ナンシー・マイヤーズ監督の『ホリデイ』『恋愛適齢期』同様、インテリアも素敵で、人物の描き方が繊細でとってもチャーミングなのはこの作品でも変わりません。
ママ友とのやりとり、さりげなく同僚を褒める、妻のエピソード、子供への接し方、若い同僚へのアドバイスの仕方から、ベンが男女や年齢の区別なく相手と付き合える人であるのが十分に伝わってきます。きちんと整理された自宅のクローゼット、自ら動いて働く姿から、ツールがPCに変わっても仕事ができるというのはどういうことかを示してくれます。
また、アン・ハサウェイ演じるファッションサイトCEOのジュールズと『プラダを着た悪魔』のミランダとの違いが面白い。ミランダの公私混同ぶりは当事者には理不尽極まりなくて。端からみるとそれはそれで面白かったのですが…。ジュールズの職権乱用は、いきなり笑いのアクション映画で楽しかった〜!
部下に向かって、ついboysと言ってしまったり、食べかけの食器をそのまま流しに置いてしまったり、と細やかな描写で問題点を描きつつ、自分のプライドの為だけでなく、相手を思いやる気持ち、お客様を喜ばせたいという気持ちが根底にある事もきちんとわかるようになっていて悩みに共感できます。
『プラダ〜』では、アン・ハサウェイのファッションの変化にワクワクしましたが、マイ・インターンでは男の子たちの変化にぜひ注目です!
夫婦とは一緒に歳をとること、という一見クラシックなベンの言葉。社会も男女関係もどんどん変わっていく中、その変化を柔軟に受け入れつつ、相手の幸せを一番に考え、自分も楽しく生きていくぶれないベンの生き方を表していて、格好良く新しく感じました。
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