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マイ・インターンのますのレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
3.8
極めて丁寧に作られている映画。「リタイアした高齢男性が年下の若者だらけの職場にインターンに行く」というあらすじだけ見ると一体どんなトラブルが…とドキドキしてしまうのだが、蓋を開けたら鑑賞中のストレス負荷はほとんどなく、それでいて描きたいテーマはしっかり描かれていた。なんというか熟練の技を感じる。

多分これは音楽と美術と撮影の効果がとても大きい気がする。不穏になるかも?というシーンでもアコギメインの優しい曲調の音楽が流れているので、まぁそう酷いことは起きなさそうだ…とリラックスできるし、メインの舞台となる職場も白を基調にしたオープンな空間なので威圧感がない。またオシャレな建物がバシッと映える画角で撮ってるので見ていてずっと気持ちがいい。(そして役者はロバート・デニーロとアン・ハサウェイなのでビジュアルが無敵状態。)こういうストレス軽減の方法もあるのだな。

話は、見終わってから振り返ると高齢ドリームてんこ盛りなものではあったものの、ひとりひとりの心情が丁寧に描かれていて、かつ何よりロバート・デニーロ演じるベンがとても魅力的だったので(スマートで紳士な男性の良さをこれでもかと見せつけてくる…)満足度が高かった。
ベンのような人が増えれば(またこちらも偏見をなくせば)、若者と高齢者は素敵な関係を築いていけるんだろうな。いいロールモデル。
基本的にオシャレ爽やか系映画はそこまで好みではないのだけど、このあたりのテクが大変参考になったし視聴後も爽やかな気持ちになれた。
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