このレビューはネタバレを含みます
人生で様々な悩みや問題を抱えている若者を人生経験が豊富な老人か良い道へ導いてくれる物語。
率直に言うとこの作品の設定が面白いと思う。70才でとっくに定年を迎えたベンがとても年齢層の低い若者達の会社にインターンにやって来るというもので、とんでも設定だった笑
この物語の主軸、ベンはとてもスマートで繊細なところも兼ね備えている、現実にはいないであろう完璧な人だった。社会人になったら、こういう人が上司になってくるたらいいな~!
それに自分もこんなふうに年を重ねられたらいいな、まさに現代社会の理想を描いた人物なんです。
内容に入ろうと思います。
物語の入りのテンポのある語りが単純によかったと思う!
社内を自転車で移動しなきゃいけないほど、忙しいとは恐れ入りました(笑ま、本当に忙しいと思うけど汗
(自転車登場シーンは最初の方の二回だけかよ!なんか好きだわ)
この映画の陽気なBGMがいいね、頻繁に使われるのがとてもいい。すごく映画のテンポが良くなる!
主題歌も好きです。中毒性があると思う。
紳士の心得
「ハンカチは貸すために持ち歩く。」
ふむふむ。
ベンはジュールズから少しずつ信頼されていく。ベンもまた、ジュールズを見て、尊敬の念を段々と抱いていく。この二人が年の差を越えた恋愛ではなく、男女の友情であることも魅力的だなと思います。
ジュールズが夫の浮気をベンに相談したとき、そしてプライベートを触れられることが嫌だったのに段々とベンに打ち明けていくのを見て、信頼を寄せていくのがすごく伝わってきました。
家庭をとり、今まで一人で築き上げた会社を半分捨てる形をとるのか、それとも自分の信念、努力の結晶を守るのか。
この物語の一番の難題。
ここでの印象的なシーン。はじめて見せたベンの涙。
とても考えさせられました。
過去を語り、自分の癒えていない傷をおもいふける、それとジュールズの家庭の崩壊を重ねて、その境遇に悲しむ。
ジュールズは幸せになる権利がある。
最後の終わり方もとても後味が良いものだった。
ベンに寄り添う形で書いたけど、ジュールズで見てみても、この作品は現代社会の女性の理想像でもある。
少しほろ苦いビターな隠し味があるけど、全体的に口のなかにすぅーと広がる爽やかなテイストで美味である!
笑笑笑笑笑