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シークレット・ミッションのvenom9のレビュー・感想・評価

シークレット・ミッション(2013年製作の映画)
3.7
おバカ映画の仮面をつけた悲劇。
北からの工作員3人組の潜入時キャラが愉快。大真面目におバカキャラを演じ、これまたキャラの立った地域社会の人々とドタバタする前半は笑える展開。後半は作品のトーンが一気に暗転します。
周囲の人々からバカにされつつも、愛されてもいたドング(北の名リュファン、演:キム・スヒョン)、特に身を寄せていた商店主老女の心情がドングのための預金通帳摘要欄の記載で変化していく様は涙が溢れました。
キム・スヒョンのメリハリある演じ分けが良く、終盤おバカキャラを封印し本来の姿に戻り、愛すべき隣人たちに別れを告げ最後の戦いに臨みます。
極めて悲劇的な結末ですが、国家の都合で未来ある若者が犠牲を強いられるという愚かさを描くには、仕方なかったのでしょう。
ところで、ドング(リュファン) がカメオ出演する「愛の不時着」を先に観ており、本作観賞後に再び不時着の当該シーンを見返しました。不時着の時代設定の方が現在に近いはずなので、リュファンがドング に扮してどこかでひっそり暮らしていると願いたいですが、おそらくそのような意図はなくただのファンサービスなのでしょうね。
(2023年8月U-NEXTにて鑑賞)
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