しおん

友だちの恋人のしおんのレビュー・感想・評価

友だちの恋人(1987年製作の映画)
4.0
え、なんか変。カットと情報量がやたらと多い。ロメール風が異端とされている島の検閲に通るように撮影されたかのような仕上がり。筋もまさしく凡庸banalで他作より面白くない。とはいえロメール厨の僕としては無条件に楽しめたわけだが。ロメールの色使いは意味を持たせる手前で錯綜させては交錯させるから、全体を通じて一つのメロディを耳にしたみたいに感じられる。お馴染みの電話も良かった。固定電話をかける女性の色気にようやく気づいた。
海辺のポーリーヌや夏物語などは偶然の遭遇で物語が進むが、バカンスの手前を描いた本作では遭遇が街の狭さを理由に必然となっている。それと対照をなすようにブランシュの家の広さと静けさが際立たせられている。
ちなみにブランシュかレアかでいえば僕は絶対前者で、レアみたいなタイプマジで苦手、ブランシュがヘラるのはフランス人に共感性がないからです。
しおん

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