y425

アーティファクト(原題)のy425のレビュー・感想・評価

アーティファクト(原題)(2012年製作の映画)
3.7
アーティストの権利を全て握ろうとする米国音楽業界の不正を正すため、ジャレット・レトー率いる30 Seconds To Marsが所属のレコード会社EMIに戦いを挑む話。

レトーは、レコード会社との訴訟問題の最中、腐敗しきった音楽業界の真実を伝えるため、苦しい状況でも、カメラにバンドメンバーの心情や、日々起きていることを記録し、生々しくも、アーティストの本音が詰まっていて素晴らしいドキュメンタリー映画になっている。この映画がレコード会社から最終的によく許しが下りたなって思うほど、かなり音楽業界に切り込んだ内容。

【映画で語られているアーティストとレコード会社の問題点】

アーティストは彼らが制作したアルバムを売るため、宣伝や流通についてレコード会社の力を借りる。レコード会社抜きで世界に音楽を届ける手段は、技術が進歩した今でさえ、限られていることから、いまだにレコード会社が圧倒的な権力が持つ。

人気のアーティストの多くが、アルバムをヒットさせようが、ライブのチケットやグッズが売れようとも、その大半の売り上げはレコード会社に入る契約を結ばせられているそうだ。

アルバムセールスの売り上げは年々下がってきており、破綻寸前の音楽業界は投資会社から買収を繰り返され、ビジネスに染まり音楽業界の常識が壊されていった。音楽業界にビジネスのことしか考えられない人たちが介入しすぎて、アーティストを理解できない音楽業界に変わっていき、業界全体が深刻な状況になっていっている。

アーティストは今後レコード会社の力を借りず、自分たちの音をダイレクトにファンに届けていき、生計を成り立たせる方法を模索し続けるといった話も出てくるが、アーティストは音楽を作るプロであって、宣伝や流通はさすがに簡単にレコード会社抜きで出来ることではないように感じる。。。
y425

y425