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アーティファクト(原題)のOhuのレビュー・感想・評価

アーティファクト(原題)(2012年製作の映画)
4.3
正味な話、30STMはあまり好きではないバンドだった。というのも、役者と歌手の両立なんて不可能だと思っていたから。そんな折、何の前情報もなしにレコード店で“This is war”の何十種類もの人の顔のアートワークが目に止まり、視聴して見るや否や、直ぐさま購入に至った(自分が購入したのは虎のジャケット)初めて視聴したときは、いつもと違う出だしで、何やら起こりそうな期待感が、かのAngels & Airwavesの1stを想起させる内容だったので、あぁ、ジャレッド・レトはこれからはうだつの上がらない役者の道を諦めて、音楽で行くんだと思ったほど。このドキュメントを見て、作品に溢れる力強さの意味がやっと分かった。レコード会社がアーティストを契約で縛り、搾取するシステム。多額の負債を突きつけられた訴訟問題に立ち向かう彼らの崖っ淵のどん底っぷりが赤裸々に記録されていた。本物の芸術と、商業の両立は不可能に近いと思う。但し、作品を産み、世に広める手段として、多方面でコストがかかる。そのグレーゾーンに一石投じた彼らの姿勢は評価に値する。役者としてはファイトクラブと、アレキサンダーの印象が強かったジャレッド・レト。近作のダラス・バイヤーズクラブでの演技は圧巻だった。スーサイド・スクワッドのジョーカー役、期待しています。勿論、30STMの方も。
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