snowwhite

もしも君に恋したら。のsnowwhiteのレビュー・感想・評価

もしも君に恋したら。(2013年製作の映画)
4.0
あのハリポタのダニエル・ラドクリフがラブコメ?ハリポタ後ハリー・ポッターのイメージを消すためか舞台も含めて灰汁の強い役ばかりをやってる印象だったのでラブコメとは意外でした。

ゾーイ・カザンが滅茶苦茶可愛かったです。ラドクリフの友達のアダム・ドライバーが出鱈目な人の役でこれもすごくはまってて面白かったです。


【ネタバレあります】



ストーリーは単純。
昔付き合ってた彼女に浮気をされ振られたせいで女性を好きになることが出来なくなってしまったウォレス(ラドクリフ)。

女なんてバンバン行けばいいと思ってる親友(アダム・ドライバー)にけしかけられてもその気になれない。

しかしある日パーティーで知り合ったシャントリー(ゾーイ・カザン)に好感を持つが彼女には同棲している彼氏がいた…。

彼女は二股をかける気など毛頭ない。彼氏がいることも最初から隠さず話して屈託がない。ゾーイ・カザンがホントに滅茶滅茶可愛いくってキュートだ。

ウォレスは彼氏がいると知ってがっかりするが人の彼女を取ってはいけないと思い、女性としてではなく友達として割り切った(と本人は信じ込んだ)。

平気で浮気をする女なんて2度と御免なウォレスなのでシャントリーがそんな女性ならすぐ嫌いになったであろうし自分もそんな風な人間にはなりたくないのだ。

それで2人は友達になるのだが、話せば話す程2人は同じような趣味の持ち主で楽しくってしょうがない。考え方が合っていて正にソウルメイトって感じだ。

ウォレスはすっかりいい友達になれたつもり。シャントリーは元々そんなつもりは無いので2人は本当にいい友達でやがてウォレスはシャントリーの家に招待される。同棲している彼氏にも紹介された。

彼氏はちょっと警戒ぎみ。シャントリーにそんなつもりがないのは分かっているが相手の男はどうだか分からないから心配になるのは当然だ。多少気にはなるがまあ大丈夫そうと判断した模様。

ウォレスとシャントリーはあくまでも友達としての友情を育んで行く。

彼氏は海外に赴任する事が決まりシャントリーについてきて欲しいとプロポーズ。

シャントリーはやっと仕事で認められてきたのでキャリアを捨てられず、遠距離恋愛をすることに。

会えないだけではなく時差があるので中々時間が合わず電話をするのも一苦労。しかし2人は信じあっているので揺らがない。

(結婚しても堅実ないい夫婦になるだろうと思えるしそれなりに幸せになれるだろうと思う。

ただシャントリーを見ていると圧倒的にウォレスといる時の方が楽しそうだ。

 抱えるようにないようになった彼氏は医師で収入も高く真面目で誠実。シャントリーをとても愛してくれているし欠点も見当たらない。申し分のない人物だけど彼と一緒にいる時のシャントリーはウォレスといる時ほど楽しそうじゃないのだ。決してつまらなそうな訳ではないのだが…。)

一方シャントリーとすっかりいい友達になったつもりのウォレスに親友は言う。お前は彼女が好きなのだと。

いやいや僕は友達として好きなだけで女性としてではないとウォレスは否定。回りから見ればそうではないことは明らかなのだが本人はそう信じ込んでいるのだ。

その頃遠距離恋愛中のシャントリーと彼氏は少し変化が。

最初の頃彼氏はとても寂しがっていたが段々海外の生活に慣れ同僚達とも仲良くなり楽しんでいる様子。

しかしシャントリーは寂しくって電話をするが中々連絡が取れない。決して彼氏が電話を放置している訳ではなく時差のせいなのだが彼氏からの電話がかかってくるまでの時間がとても不安だし長い。

とうとう我慢できずに思いきって会いに行くことにして飛行機に飛び乗った。

その話をシャントリーの友達から聞いて少なからず動揺するウォレス。親友は「追いかけろ、彼女を失うぞ。」と言ってくれるがウォレスはそれでもまだ「僕は友達なのだから。」と頑なだ。

(過去の恋愛があるから複雑なんだろうなあ。裏切るのも裏切られるのもいやって気持ちもよく分かる。彼女がそんな人であって欲しくないって気持ちもよく分かる。だけどウォレス、ここで立ち上がらないと後悔するよ。シャントリーが結婚してるならともかく彼女はまだ独身だよ。)

(絶対に誰にも取られたくないと思わないのだったらそれは愛してないって事だよ。君はどうなんだい?本当にこのままでいいのかい?)


【ここからラストまで完全ネタバレします。未見の方は御注意下さい。】



自問自答するウォレス。やっと自分の気持ちに気付く。友達としてではなく愛しているのだと。

(本当は気付いていたのかも知れないね。ただ望まぬ自分になりたくなくて蓋をしていただけなのかも)

ウォレス飛行機に飛び乗る。

その頃彼女は彼氏の住所にたどり着くが夜だというのに彼氏は家に居なかった。しょうがないので外の階段で待つ。

酔っ払った女性を抱えるようにして帰ってきた彼氏。シャントリーはショックを受ける。しかしそれは誤解だった。同僚と皆で飲んでいたのだが彼女が酔っ払ってしまったのでたまたま寮の部屋が隣どおしの彼氏が連れて帰ってきただけだった。

誤解は解けたのだが、彼氏が女を連れ込んでいると誤解した時に気付いてしまったのだ。シャントリーもまた自分が愛しているのはウォレスだと。

(彼氏が浮気をしていると思ってかーっとなった時きっとウォレスが頭に浮かんだんだろう。ウォレスならこんなことはないのにと。)

自分の気持ちに気付いたシャントリーは彼氏に別れを告げて帰っていく。

遅れてやって来たウォレス。勇気を出して彼氏の家を訪ねる。彼女に会わせて欲しいと。

出てきた彼氏にウォレスはいきなり殴られ吹っ飛ぶ。

(当然です!彼氏は何も悪くない。)

倒れているウォレスに彼氏は告げる。もう帰った。彼女とは別れた。

ウォレスは急いで帰国。シャントリーに愛を告白。やっと両想い。メデタシメデタシと思いきやそうではない。

シャントリーに大出世の海外赴任の話が。彼女は赴任を決める。

今度はウォレスとシャントリーが遠距離恋愛となる。信頼しあってる2人は全く揺らがす易々とクリア。2年後シャントリーが戻ってきて2人は無事結婚。end



ラブコメらしくストーリーは単純で最終的にどうなるかはほぼ予測がつく。こういう映画はストーリーを楽しむというよりは役者さんの演技を楽しむべきだと思う。

ゾーイ・カザンが可愛くってしょうがなかった。美人というよりはキュート。屈託のない感じも凄く良かった。

ダニエル・ラドクリフもこの役が意外と似合ってた。ということはやはりこの人は上手いのだろう。

ハリー・ポッターが大好きで何度見たか分からないのだがそのハリー・ポッターをこの映画を見てる時全く思い出させなかった。あの風変わりな映画『スイス・アーミー・マン』を見た時もハリポタが全く気にならなかった。やはり上手い。

と、このように書くとダニエル・ラドクリフのファンの様に思われてしまいそうなので念のために付け加えるとハリポタを見ている頃は私はロンの方が好きでハリー・ポッターのキャラクターがいまいち好きになれなかった。ラドクリフ自身もあまり好きではなかった。最近は嫌いでこそなくなったがファンという程ではない。ただやはり上手いなと思う。

アダム・ドライバーもとんでもなくいい加減な男を実に生き生きと演じていた。出鱈目な男で女の敵みたいな男なのだがどこか憎めないキャラクターに上手く仕上げていた。いい親友な感じも絶妙。この人も上手い。



ラブコメは俳優が全てだと思う。魅力的なキャラクターに作り上げられるかどうかにかかっている。俳優次第だ。

ラブコメが好きではないって人は多分ストーリーで楽しもうとしているからじゃないのかと思う。俳優が作り出すキャラクターや演技を楽しめていないからだと思う。

上手い俳優達が作り出す登場人物たちの何て魅力的なこと!

今日の映画も試しにこの役を他の俳優がやったら?と想像してみるといい。別の俳優が演じても全然面白くないだろうなと思うはずだ。面白いラブコメは俳優がいかに上手く演じているかに気付くはずだ。
snowwhite

snowwhite