このレビューはネタバレを含みます
過去と現在を同時並行して見せるという構成でかなり変わってるな、と思いました。
普通だったら現在の時間軸を中心に、フラッシュバックで何かを思い出したり、誰かの話を聞いたり、資料を見つけたりということを経て、過去にジャンプするという方法をとると思うのですが、この映画は本当にただ同時並行して見せているだけなんですよ。
この構成に違和感を感じるか、感じないかが評価の分かれ目かもしれませんね。
自分はやっぱ見づらく感じちゃったタチで、現在と過去の視点が同一人物じゃないので誰に感情移入すればいいかわかんなかったです。しかも過去の方は逮捕された兄と殺された母親という二人の目線なので、余計散らかった印象に受け取ってしまいました。
あと現在の方は「遺族ビジネス」だとか「殺人クラブ」だとかいった面白そうな設定が出てくるんですよ。でも過去の方も描かなきゃいけないせいで、あんまり掘り下げてくれない。残念でした。
過去の方も「悪魔崇拝」とかあったんですが、こっちは陳腐に感じましたね。
ただ、自分の不幸をネタにメシを喰い続ける女っていう設定は面白くて、その泥沼を脱却して「普通に生きる」ことに向き合う展開は良かったと思います。