このレビューはネタバレを含みます
予告編がバチンコ面白そうだったので観てしまいました。
ストレートな謎解きって結局予告見ると気になっちゃうし、あと、おれもしかして「おぼろげな記憶の中にヒントが!」みたいなの好きなのかもしれない。
だから浦沢直樹のMONSTERも好きだし、ちょっと違うけど海外ドラマの「フラッシュフォワード」もマジで好きだったんだよね あれ打ち切りになったの一生許せん
ダーク・プレイスの話だけど、出だしはすごくよかった。最初「悲劇のヒロイン!事件がトラウマで記憶に鍵が…」みたいな儚げな主人公像を想像してたんだけど、
そしたらなんとも強かというか、自堕落というか、よくわからん性格の人が出てきたから、一瞬ビビったけど「あでもリアルだな」と思い直した。
そもそもそんなアツいトラウマのある子供の精神が正常に発達する方がおかしいというか、最初ああいう性格で出てきて、犯罪マニアに言われて渋々思い出すってのは上手くやったなと思います。
でまあその後は順当な謎解きが始まって、並行して過去の出来事が明らかになってくんだけど、
クロエ・グレース・モレッツがかっっっっわいい!!!!
いやまあそれはいいんだが、えっと、過去編も観てて面白い部分はけっこうあります。
現在編の面白いところは「殺人クラブ」の存在(全然出てこないけど)で、それに対して過去編には「悪魔崇拝」っていう面白ポイントが出てくる。
アメリカの田舎の若者たちのちょっとディープな世界っていうのは僕にはすごく新鮮で、へえ〜とか思いながら観てました。
ただ映画中盤で怪しくなってくるのは、主人公のリビーが単に関係者に会って話を聞いてるだけでストーリーが進んでいくこと。
単調だし、謎解きじゃなくてオリエンテーリングじゃんみたいなとこもあるんだけど、何より「リビーの失われた記憶」がテーマなんだからもっとそこ絡めてほしかった。
たとえば関係者ひとりひとり会うごとにベンの潔白を裏付けるような些細な記憶が蘇る演出とかがあったりしたらよかったんだけど、
ちょっとそのへんのカラクリはあんまり考えられてないなと思いました。
でまあ、ここからマジでネタバレなんだけど、結局最後までトリックがちゃんと考えられてないんだよね。
最後犯人が全然知らん人だし、それってメチャメチャご法度で、まあ〜間接的な犯人は母親自身みたいなとこあるからギリ許すにしても、伏線は必要だったかなと思いました。
とか、最後までほとんどリビーの記憶関係なかったりとか。ベンが「ここで隠れてろ」と言ったのを思い出した、やっぱ犯人じゃなかったんだ!(泣)じゃねえよ。
まあ「ベンが銃を撃ってたのを見た」っていう証言がウソの記憶に基づいてたってとこがミソではあるんだけど、でもそこがウソなんてことは観客みんな分かってるわけで、
結局リビーは当日なにも見てなかったってことなら、「あの日の記憶」もなにも、ほとんどただの関係者じゃん。
「あの日リビーは犯人は見てないまでも、すごく重要なヒントを目撃してた」とか、そういう上手いインパクトがちゃんとあればよかったんだけど、
ちょっとトリック?の種明かしが弱いかなって感じで、終盤は残念でした。
で最後の感想みたいなとこも、「ベンは許すことを覚えた…」「今私の普通の人生が始まった」って、いや…まあそうだろうなってぐらいのもんで、
そのだから最後のまとめも他にやりようあったろってとこがさらに残念ポイント。というわけで全然好きな映画じゃないんだけど、
クロエ・グレース・モレッツポイントで評価はそこそこになりました。