新解釈ドラキュラ
【映画が厨二病でなぜ悪い】
ブラムストーカー原作発ドラキュラ伯爵の新解釈誕生談。吸血鬼といえば怪奇映画の歴史においていくつもの名作を輩出した特級ブランドであるが、そういうものから完全に逸脱した厨二病全開のアクションスペクタクル。
キャスティングも、指輪物語やGOTを思わせる大衆向けの顔ぶれが揃って。ロードオブザリングでも観てるような明るいタッチを楽しめます。
CGを駆使した悪役ぶりに私はどうにも弱く、戦闘シーンなんかとってもワクワクしました。
【ドラキュラの歴史と本作】
ブラムストーカーの原作におけるドラキュラは悪の権化であり、そのモデルとなったヴラドツェペシュも歯向かった者を串刺しにしたということで悪名を轟かせています。
それが今作では、ドラキュラ伯爵が実はいい奴でした!という切り口で物語が始まるのです。そこからは呪いを背負ったドラキュラ王の英雄録が綿々と展開されてゆくのですが、そこそこ主人公してて見入ってしまいます。
面白いなと思ったのが今作の宗教観でした。
「吸血鬼ドラキュラ」は十字架・銀が弱点なんとか言って、かなりキリスト教的な要素の目立つ作品です。しかし、今作では死んだキャラクターの生まれ変わりが登場するなど、輪廻転生に則った仏教的な要素が目立っているのです。そういう意味でも新解釈なのでしょう。
【主人公の指輪物語感を愚痴るまとめ】
ただ、いかんせん面白みにかけます。ドラキュラの設定がカバーされていないし、シナリオも少し無理のあるところがあります。
厨二病的映像体験を楽しむ作品ぐらいの認識でちょうど良いでしょう。