イチロヲ

子連れ殺人拳のイチロヲのレビュー・感想・評価

子連れ殺人拳(1976年製作の映画)
3.5
小さな町を訪れた流浪の格闘家(千葉真一)が、ヤクザの抗争に巻き込まれている剣術使い(夏八木勲)の子供を庇護する。仕事請負人・剣琢磨をフィーチャーしている、殺人拳シリーズ第4弾(最終作)。物語は繋がっておらず、独立している。

荒唐無稽なアクション活劇は鳴りを潜めており、乾いたタッチに仕上がっている。相反するヤクザ(室田日出男と郷鍈治)、敵対組織の用心棒(夏八木勲)、両陣営を渡り歩く妖女(川崎あかね)などが、ドスの利いた演技合戦を見せてくれる。

千葉ちゃんの子連れ要素が動き出すのは、終局に近づいてから。アクションの動きに合わせて、通常速度とスローモーションを切り替えていく編集技法は、昨今のアクション演出を先取りしているように思える。

クライマックスに入ると、千葉ちゃんの日本刀さばきが全面的にフィーチャー。蹴り技を交えながら、烈火の如きコンボ攻撃を炸裂させていく。麻薬取引の顛末もイイ感じに落ち着いており、安定した満足感を得ることができる。
イチロヲ

イチロヲ